お客様の予測も的中!円筒研削盤のベアリング交換

以前も修理で伺ったことのあるお客様から、「今度は円筒研削盤のベアリングが切れてしまった」と連絡が入り、2週間前に中島氏が下見に行ってきました。

中島氏の調査結果も、お客様の予想通り「ベアリングが切れていたこと」が原因でしたので、早速「ベアリング」を注文。届き次第での修理となりました。

 

 

まずは、機械とご対面

 

今回、修理することになった機械は、「円筒研削機」と呼ばれるもの。

そういえば、前回の修理のとき、私、この機械を見ていました。「デカい機械だなー」と思っていた、アレでした!

<かなり年季の入った、働きものの円筒研削機>

 

さて、今回はこの機械のどこを開けるのか?というと、
・ワークを掴んで回転させる部分
・ギアを軸を回す機構の部分
この2か所に、どうやら問題があるようです。

<「開ける」部分を強調してみたの図>

 

どうやら、上の写真の左側の機構の中に、切れたベアリングが入っている模様。

そこにたどり着くまでの行程として、いくつかの機構を取り外していく必要があります。そして中島氏が取り出したのが、下の写真です。

<ベアリングが入っている部分を取り外したところ>

 

しかし、これがまたぎっちりと嵌まっていて、なかなか外れない……

手持ちの工具や木材などを使い、何とか分解しようと試みます。中島氏が奮闘中に相馬氏が合流し、二人で協力しながらバラシていきました。

<ベアリングが入っている機構と奮闘する中島氏>

 

切れたベアリングとご対面

 

さて、「切れた」というベアリングがどこにあるかというと…?

中島氏が機構を開けると、なんと「ベアリングを構成している球」が転がりだしてきました。いやいや、これ危ないでしょ! ということで、椿さんはそれを拾うお手伝いに。

<切れてしまったベアリングのパーツ>

 

<交換用のNew!ベアリング>

ベアリング交換から、元通り組み立てるまで

 

新品のベアリングを入れたあとは、さっき「ぎっちり嵌っていてなかなか取れなかった」機構を、今度は頑張って組み立てていく中島氏。

<新しいベアリングが入って、再び組み立てられる機構>

 

しかしよく見ると、調整ボルトのあたりに、結構な錆が… なんでだろう?お客様に聞いてみると、「結構な頻度で使っている」とのこと。

 

えっ?でも、なぜそんなに錆てる?

 

さらに聞いてみると、「そこは、研磨する時の熱を下げるために、水をかけてるから、しょうがないんだよね」とのこと。そうか、使用するたびに水をかけてるから、錆びやすいのか。

椿さん、ようやくこの機械の仕組みに納得できました。

いずれはちゃんと錆落としも含めたメンテナンスも必要かもしれないけど、今回は「この機械を待っている仕事がある」とのことで、ひとまずはここで試運転して終了となりました。

今回も、お疲れ様でした!

 

今回のお客様はこんなところ

 

<村山機械製作所>

〒275-0024 千葉県習志野市茜浜1-11-11

TEL:047-451-1262

 

主に建設機械の部品や特殊車両(トラックの後ろが上がる車)の部品などの製造を行っている。

 

【お客様の声】

前回に続き、修理をお願いするのは2回目かな?今回は「恐らくベアリングだろう」という予測はできたけど、やはりしっかり修理したいから、お願いして良かったと思う。

だいぶ年季の入った機械だけど、まだまだこれで対応する仕事もあるから、動くようになってホッとしました。今回もありがとうございました。

葛西機工事業部のPR動画を作成しました!

突然ですが、株式会社ケーエスアイ 葛西機工事業部のPR動画を作成しました。

弊社の出張修理人の二人(中島氏&相馬氏)が、弊社の工作機械の修理とは何ぞや?を語っています。2分弱の短い動画ですので、ぜひご覧ください。

 

 

東京都の「緊急事態宣言」が解除されず、なかなか「取材」でうかがうことができない現状ではありますが、中島氏&相馬氏の二人は、着々と修理の実績を積み上げています。そんな出張修理人の声を、動画でお届けすることにしました。
まだまだ落ち着かない世の中ではありますが、そんな中でも頑張っているお客様のために、出張修理人は今日も奔走しています!

何故そんな風に折れたのか?!汎用旋盤の軸交換

ある日の午後、中島氏から1本の電話が入りました。「今度は別のお客様だけど、また汎用旋盤の修理入ったよ。」

そう、つい先日取材させていただいた、「働き者の汎用旋盤」と同じ種類の機械(メーカーは違うけど)が、先日とは違う箇所の修理が必要なのだそうです。

 

しかし、修理予定日を聞くと、残念!その日、椿さんたちは誰も取材に行けません。しかも東京都が再び「緊急事態宣言」の中、お客様は埼玉県だし。

というわけで、今回は中島氏が自ら写真を撮って、後から修理の概要を説明してくれました。

 

 

今回の機械の故障、原因は「プーリーの軸」にあり

 

今回の修理、お客様からは「主軸が回らなくなった!」とうかがっていたそうです。あれ?これどっかで聞いたような気が…

そう!前回の修理記事の汎用旋盤の「プーリーが動いているけど主軸が回らない」と、まったく同じ現象なのです。

そこで実際に中島氏が調査をしてみると、どうやら「プーリーの軸」が折れているらしいことが分かりましたので、中島氏は同じ部品をメーカーから調達して、今回の修理となりました。

 

中島氏はお客様の工場に到着すると早速、いろいろとバラし始めます。まずはギアボックスの上から、折れてしまった「軸」を確認します。

<ギアボックスの中から、折れた「軸」を確認>

 

しかし中島氏、今度はギアボックスの外側にあるプーリーと、もう一つの軸を外し始めたとのこと。後から理由を聞くと「邪魔になるから」。どうやら、今回交換したい「プーリーの軸」のすぐ近くにもう1本別の「軸」があり、これが交換作業の邪魔になってしまうそうです。

さて、2本の軸を外した状態でギアボックスの中を覗いてみると……何となくスカスカな感じになっています。

 

 

やっと!「軸」を交換

 

しかし、ギアボックスの中にあるギアって、長年使われていてもキレイですよね。普段、あまり開けるところではありませんから、油がきちんと差されていれば、ギアがピカピカに光って見えます。

<2本の「軸」を外したギアボックスの中>

 

パッと見た感じではどのギアが何をしているかはまったく分かりませんが、「モーターからのトルクを刃物台に伝える」とか聞いてしまうと、大事な部品なんだなぁと思うから不思議です。

 

さて、いよいよ「プーリーの軸」を交換します。

中島氏は、取り出した「折れた軸」と、注文していた「新しい軸」を並べた図も写真に収めていました。

<2本の「軸」を並べたところ>

 

取り外したプーリーの軸は、途中からスパッとキレイに折れています。ゆがんだ、とか、曲がった、とかではなく、まさに「折れた」軸です。

こんなに太くて頑丈な金属の棒がスパッと折れてしまうとは、ちょっと恐ろしい感じがします。中島氏や社長に聞くと、「金属疲労」とのこと。長年使い続けるうちにこの部分に少しずつ振動が加わり、軸の中心にある金属の棒に「金属疲労」が起こります。すると何かのはずみで、今回のように「バキッ」と折れてしまうことがあるそうです。

とはいえ、滅多に無いケースなのだそうですが……。長年大事に使ってこられた機械ですので、想定外の部分が壊れてしまうこともあるのだとか。

 

軸の交換が終わったところで、後は元通り組み立てて試運転して……で終わりなのですが、実は今回、中島氏のほかに相馬氏も修理に参戦していました。それなりにパワフルな修理だったそうです。

元通りに組み立てたところで、お客様に試運転をしていただきます。故障前の状態で動くことを確認し、今回の修理は完了です。

 

二人とも、お疲れ様でした!

 

今回のお客様はこんなところ

 

<金久保製作所>

〒339-0078 埼玉県さいたま市岩槻区掛7953-6

TEL:048-757-4675

工場内に30台以上の工作機械がある、大きな工場。さまざまな分野への部品提供を行っている。

働き者の汎用旋盤。お客様との共同作業で修理が完了!

ある日、中島氏から「汎用旋盤のバラシが入ったよ」と連絡が。

えーと、「バラシ」って何?

 

今回の修理は、中島氏いわく、「切削ができなくなった理由が分からないらしいから、「バラシ」て、どこが悪いのか原因を探るしかないかなとのこと。

つまり、機械をバラす=分解をするから、「バラシ」と呼んでいるらしい。汎用旋盤を分解して、状況をチェックしようというわけです。

でも一方で、「もしかすると、『キー』と『キー溝』の辺りが問題ってこともあり得るよねー」と、中島氏と社長は事前に分析をしていました。

 

 

修理当日~まずは「故障」の状態をチェック!

 

修理当日の午前中、私も機械とご対面!お客様によると、この機械は40年以上稼働している「頼れる相棒」とのこと。

ここのお客様は、部品の劣化などにより工作機械の調子が悪くなったときでも、ある程度は自分たちの手で部品を作って不具合を解消してきた人たちでした。

しかし今回の場合、故障の原因が分からないということで、修理をご依頼いただいたわけです。

 

到着後、先方から「多分、ギアのあたりだと思うんだよねー」とお話があり、中島氏は「ギアボックス」の中を調べてみることにしました。

 

<機械をバラし始める中島氏>

 

<ピカピカの「ギア」たち>

 

 

修理箇所はここだ!

 

しかしながら「ギアボックス」を開けてみて調べてみても、中島氏は「うーん?」と、うなっている。どうやらここに問題があるわけではないらしい。では一体、どこに原因があるのか……?

 

中島氏は、機械を動かしながら、原因を探ることにしました。

いろいろ見ているうちに、中島氏は「あれ?ちょっとブーリ―の動きがおかしくない?」ということに気付いた様子。

 

<機械と会話する中島氏>

 

プーリーを動かす「ゴムベルト」を外して、プーリーを念入りにチェックしたところ、なんと!なんと!キーが無かったのです。キー溝にはまるキーが、いつの間にか抜け落ちていたようです。

キーはそもそも消耗品なので、削れて小さくなっていくこともありますが、今回はそれが「無くなっていたこと」が原因だったようです。

中島氏と社長の読みが当たりました!

 

 

なんと!お客様に「キー」を作っていただいく

 

本来ならキー溝に合うキーを取り寄せするところですが、お客様の工場内に「キーになる材料」があったこともあり、お客様自身で「キーそのもの」を作っていただくことになりました。慣れた手つきで、あっという間にキーが出来上がりました。さすが、職人さんです。

 

<「キー」を作っているお客様>

 

中島氏は出来上がったキーを、キー溝に埋めてみました。

ちなみにキー溝とは、プーリーの軸に空いている溝のことです。

 

 

そして、試運転。動きますように。

 

先ほどキーを作ってくれた工場の社員さんが試運転した結果、正常に機械が作動しました。パチパチパチ!

 

<修理後の試運転>

 

「汎用旋盤のバラシ」の予定でしたが、少しだけバラしたところで故障の原因が見つかり、お客様との共同作業により、そのまま修理まで進むことができました。

今回も、お疲れさまでした!

 

 

今回のお客様はこんなところ

 

<村山機械製作所>

〒275-0024 千葉県習志野市茜浜1-11-11

TEL:047-451-1262

 

主に建設機械の部品や特殊車両(トラックの後ろが上がる車)の部品などの製造を行っている。

 

【お客様の声】

今までは故障の原因が分かれば自分たちで部品を作ったりして直してきたんだけど、今回はどうにもこうにも原因が分からなかったんだよね。それで以前送ってくれてたDMをみて修理をお願いした次第で。すでにいくつかの受注も抱えていたし、直らなかったどうしようと思っていたのだけど、ひとまず動くようになってホッとしました。

緊急事態宣言、東京都も解除!!春から取材再開します!

2021年1月早々から始まった東京都の緊急事態宣言が、やっと!解除されました。このブログもやっと解禁です!

もちろんこの間、中島氏と相馬氏が修理をしていなかった、というわけではありません。非常事態宣言下でも工作機械が止まってしまうお客様はいらっしゃいましたので、この3か月の間もかなりの修理を行っています。

 

実は、椿ワークスが取材に行けなかったのです。

 

弊社のお客様は、東京都内だけではありません。埼玉県や千葉県など他県にもいらっしゃいます。

また、実際に修理を行う中島氏と相馬氏は不要不急ではありませんが、さすがにそれを写真に収める椿ワークスは不要不急な外出に該当するのではないか?という考えもあり、取材を自粛しておりました。

 

中島氏に確認したところ、来月あたりから、修理の取材もできそうです。

そして、この3か月の間に、修理だけではないちょっと大きな仕事も動き出しています(まだナイショ!)。

これまでとは一味違う出張修理人の軌跡をお届けできるかもしれません。お楽しみに!

 

中島氏、区から表彰される!

2020年某日、江戸川区の職員の方が、ケーエスアイ本社(東京都江戸川区)へお見えになりました。何と!中島氏が、江戸川区から表彰されました。

 

 

区からの表彰って?

 

江戸川区では毎年、「江戸川区産業賞」の表彰式が行われています。今年で66回目とのことです。

江戸川区産業賞にはいくつかの「賞」がありますが、中島氏は「技術功績表彰」を受けたのだそうです。江戸川区のサイトによると、

ものづくりの技術の次世代への継承を図るとともに、区内製造業の技術力の向上に貢献し、優れた技術・技能を持つ方の表彰です。

とのこと。やったね!

 

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、タワーホールでの表彰式はなくなってしまいましたので、区の職員の方が表彰状とトロフィーを届けに来てくださいました。

せっかくのお天気ですし、写真撮影は外で。

すると、たまたま道を歩いていた江戸川区の職員の方が、足を止めてお祝いの言葉をかけてくださいました。

 

ちょっと照れくさそうな中島氏と、ちょっと嬉しそうな相馬氏が印象的でした。

 

 

 

 

 

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今回の修理は、製造元での純正部品の生産が終了してしまった平面研磨盤(通称 平ケン)の修理。純正の部品が無くても、弊社のネットワークを使えば、必要な部品を特注して修理できてしまうのです。

 

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今回の修理は、2ロール転造盤の主軸交換。しかもMade in Japan ではなく、海外製(イタリア製)。でも、出張修理人はそんなことお構いなしに、さくさくと修理してきました。中島氏自ら、その「仕事」をレポートします!

 

 

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今回の修理は、いつ見ても迫力満点なシャーリング全体にオイルを供給する、「オイルタンク」の交換です。タンク自体が寿命を迎えてしまったため、新しいタンクと交換することになりました。

 

 

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【何故そんな風に折れたのか?!汎用旋盤の軸交換】

 

 

今回の修理、年式は多少違いますが、実は前回と同じ機械です。同じ機械でも、故障の部位によって修理の内容はガラリと変わります。同じ「プーリー」の中でも今回は、「折れた軸の交換」となりました。

 

 

【働き者の汎用旋盤。お客様との共同作業で修理が完了!】

久しぶりの修理記事!今回もとっても「働き者」な汎用旋盤の修理です。まずは原因を探るところからでしたが、紆余曲折の末、お客様との「共同作業」で修理を終えました。修理のカギは「キー」にあったのです。

 

 

【緊急事態宣言、東京都も解除!!春から取材再開します!】

 

緊急事態宣言解除!実はこの間、出張修理人はバリバリ働いていましたが、取材を自粛しておりました。詳しくはこちら → 緊急事態宣言、東京都も解除!!春から取材再開します!

 

 

【中島氏、区から表彰される!】

 

2020年12月某日、中島氏が江戸川区産業賞のうち「技術功績賞」として表彰されました。

 

【実績紹介】本領発揮!修理ができる機械商社の新規設備導入 搬入当日

 

機械商社としての本領を発揮した、今回の新規機械搬入。連日の作業の疲れもほんの少し垣間見えましたが、中島氏と相馬氏、そして多くの関係者の皆さんとともに、無事、搬入が完了しました

 

【実績紹介】本領発揮!修理ができる機械商社の新規設備導入 受入準備

 

明日の搬入本番(?)に向け、今日はお役御免となった機械の搬出と、これからも活躍する機械たちの移動です。中島氏が手配した、弊社が絶対の信頼を置く運送屋さんとともに、サクサクと準備を進めていきます

 

【実績紹介】まだまだ現役!年季の入ったフライス盤のモーター交換

 

 

今回の修理はとっても働き者の機械です。機械自体はそれほど大きくは無いですが、人手が必要とのことで相馬氏も一緒です。息のあった連携プレーで、サクサクと交換していきます。

【実績紹介】そんなところに原因が!メタルソー切断機のセンサー修理

 

今回の修理、原因が分かってみると「え?そこ!?」と思える修理でした。しかし原因に行きつくまでには、またもや機械と会話する中島氏の姿を垣間見た修理となりました。

【実績紹介】魔物が棲むNC旋盤!?一筋縄ではいかないギアの修理-前編-

お客様の工場でNC旋盤の分解を始めてから数日。やっと修理箇所の全貌が見えてきました。なかなか複雑な構造をしているシュパンリング、中島氏の手にかかるとどうなるのでしょうか!?

 

【実績紹介】魔物が棲むNC旋盤!?一筋縄ではいかないギアの修理-前編-

 

今回の修理は、かなり大がかりな修理。NC旋盤の奥の方の機構をむき出しにしなくてはならない修理でした。問題の箇所まで分解するのに数日。このためだけの治具も必要としました。

【実績紹介】なぜ根元からバッキリと?チャック爪の交換

今回の修理は、面取り加工を行う専用の旋盤「メントリー」のチャック爪交換です。もともと2本1組で使用するチャック爪、今回はどうやら、そのうちの1本が折れていたようです。

【実績紹介】NC旋盤 ポンプ取り付け台もグレードアップが必要です

数日前にポンプを交換したNC旋盤。新しいポンプは少しグレードアップしており、サイズも大きくなりました。そこで、ポンプを固定するための「取り付け台」の交換が、今日の修理です。

 【実績紹介】NC旋盤 ポンプ交換のその後に

 

機械の動作が止まる――。そんな時こそ「出張修理人」が、あちこちの工場を回って、「止まる」原因を調べたりするのですが…実際に工場に伺うと、「止まる」という現象が無くなってしまうケースもあります。

【実績紹介】一つ止まればみな止まる?!コンプレッサーの基盤交換

 

 

前回の「調査」からは少し日数が開きましたが、お客様のご都合が良い日に、いよいよコンプレッサーの基盤交換です。機械全体からみると小さな「部品」ではありますが、とても気を遣う修理となりました。

【実績紹介】扱いを間違えるととても危険?シャーリングの調整

 

 

金属の板を切断する機械、シャリ―ング。「刃」がきちんと固定されていなければ、キレイに切断することができません。今回は「刃」を固定する構造の調整を行い、切断面のバリを減らすための調整です。

【実績紹介】工作機械の奥は深い!ベンディングロールのモロモロを修理 その2

区内の某工場内にあるベンディングロールは、接地面がほんの少しですが水平ではありませんでした。今回は機械の「足」に小さなプレートを挟み込み、水平を維持するための調整を行いました。

【実績紹介】一つ止まれば全部止まる?!コンプレッサーの調査

今回は修理とは少し違いますが、コンプレッサーの故障の原因確認を行いました。工場全体を支える「縁の下の力持ち」的なこの機械、一体どこに問題があったのでしょうか。

【実績紹介】工作機械の奥は深い!ベンディングロールのモロモロを修理 その1

今回は、ベンディングロールの修理。まずはオイル漏れのある配管の継ぎ目を修理しましたが、実は、次回へ続くようなちょっと大きな問題がありました。

【実績紹介】まだまだ現役!50年以上稼働している転造盤の配線修理

 

今回は、転造盤のマグネットスイッチ周りの修理。修理の作業自体はそれほど難しくはなかったのですが…中島氏はなぜこんな体勢に???

 

【実績紹介】古くても大丈夫!マシニングセンターのサーボモーター交換

 

今回は、マシニングセンターのサーボモーター交換です。修理人二人がかりで取り組んだ、ちょっと手ごわい修理でした。

 

【実績紹介】オイルの流れが悪い!古いNC旋盤のバルブ交換

 

今回の修理は有限会社芹沢製作所のNC旋盤です。 オイル(潤滑油)回りの機構に問題があり、修理することになりました。

 

【実績紹介】若き出張修理人の軌跡 書いているのはこんな人

 

若き出張修理人の軌跡の記事、取材から写真撮影、記事作成まで行うのは、

株式会社ケーエスアイの椿ワークス事業部 のメンバー

ママさん限定のライター集団です。

本領発揮!修理ができる機械商社の新規設備導入 搬入当日

機械商社としての本領発揮!中村留精密工業製のSC-100の搬入、後編です。比較的小型とはいえ大型機械なわけですから、そう簡単にはいきません。多くの関係者が見守る中、2日がかり(正確には3日がかり?)の設置となりました。

 

朝日を浴びながら、機械が到着!

 

機械搬入当日、日の出とともに現地入りした中島氏と相馬氏(と、私)。車の中で機械の到着を待っていると、続々と「関係者」がやってきました。

まずは、バーフィーダーメーカーのアルプスツールの皆さん、3名。

次に到着したのは、SC-100を石川県からお届けにきた中村留精密工業の皆さん、2名。

三美金属の社長と奥様も到着し、機械の到着を待っていると、運送屋さん4名とともに機械が到着しました。この時点で、14名が現地入りしたことになります。

この後でクレーン車も来るそうなので、総勢15名以上が関わっていることになります。すごい人数だ!

 

<今日の段取りを相談する中島氏と関係者の皆さん>

 

<シートが外れたSC-100>

機械の到着は、朝8時。朝日を背にしているせいか、とても輝いて見えます。

 

 

いよいよ搬入へ

 

9時になったところで、クレーン車が登場。まずはSC-100のベルトコンベア部分を降ろして工場の中へ。次に、いよいよ本体を降ろしていきます。

 

<クレーン車を使って機械を降ろしているところ>

 

<トラックから降ろされた機械とそれを見守る中村留精密工業のサービスの方>

 

<慎重に機械を進めていく様子>

 

新品の機械ですし、ゆっくりと慎重に進めていきますが、ここで1つ問題が。

機械の幅と工場の入口の幅、ほんの数センチしか差がありません。

本体そのもののサイズでみると、両脇に数センチのすき間ができるはずでした。しかしよく見ると、筐体の表面には、スイッチなどが取り付けられており、実際には筐体よりも少し大きなスペースが必要です。

しかも、道路からの進行方向からみると、90度曲がった方向に工場の入口がありますから、ぐるりと回転させる必要があります。これは大変な作業です。

今度は工場の内側から見てみましょう。

 

<工場の中へゆっくりと進んでくるSC-100>

 

おっと!機械と壁とのスキマ、左右共に1.5センチくらいしかありません!慎重に進めながら、2時間以上をかけて予定の位置に収まりました。

 

<さっそく機械と会話を始める中島氏>

 

さて、SC-100本体が予定の位置に収まったら、今度はバーフィーダーを工場の中へ。

 

<バーフィーダーを運び入れる様子>

 

バーフィーダーは横幅がそれほど大きくはないものの、何せ長い!こちらも1時間ほどの時間をかけ、予定の位置に収めていきました。

 

 

 

工場の中でまたもや機械移動

 

 

さて、今回の機械搬入、新しいものを入れて終わり、ではありません。搬入用のスペースを空けるために工場の隅っこへ移動しておいた機械たちを戻していきます。

 

<隅っこに移動していた機械たちを動かしているところ>

 

しかも「元通り」ではなく、機械の場所を入れ替えるものもあるため、総勢14名が協力して機械たちを動かしていきます。

 

<「俺の機械」が予定の位置に収まって嬉しそうな三美金属工業の会長>

 

上の写真、古い工作機械が3つ並んでいるのが分かりますか?

一番手前が「会長がメインで動かす機械」なのだそうです。実際の作業シーンを想像しながら、ちょっと嬉しそうな会長さんです。

奥の2台も、古く見えますがまだまだ現役。この工場を支える大事な機械たちです。

 

朝9時から始まった今回の機械搬入、この時点ですでに17時を回っていました。私はここまででお暇しましたが、後から相馬氏に確認したあところ、21時くらいまでかかったのだそうです。

そして翌々日の月曜日。中村留精密工業の方とアルプスツールの方たちが、それぞれの機械設置後の調整と試運転を行いました。もちろん、中島氏と相馬氏も一緒です。

 

延べ2日間、移動前の電気工事などを含めると、延べ3日間をかけた機械搬入。事前の準備から考えると、数か月の時間を要したことになります。

社長さんが「こんな機械欲しいなー」と考え始めてからは1年以上、中島氏もいろいろとご提案したり、社長たちが石川県の工場へ実機を見に行くところにも同行したりしながら、今日の日を迎えたわけです。

 

実はこの日の朝、私は工場の最寄りのコンビニに立ち寄りました。するとそこへ、シートですっぽり覆われた、何だかとてつもなく大きな荷物を積んだトラックが!

「来たー!!」と歓喜の声を(車の中で)上げた私の頭の中に、宇宙戦艦ヤマトのオープニング曲が流れたのはナイショです。

中島氏と相馬氏、そして前日の搬出・移動から、本日の搬入・移動に関わったみなさん、本当にお疲れさまでした!

 

今回のお客様はこんなところ

 

<三美金属工業株式会社>

〒350-0323 埼玉県比企郡鳩山町小用744−1

TEL:049-296-0449

 【お客様の声】

今回の機械は、「自分で決めた初めての新しい機械」です。実は結構前から「こんなことができる機械が欲しい」と考えていて。実際にこのSC-100に決めて、中島さんに相談したんですよね。中島さんと僕は年も近いから、いろいろと話しやすいですし(笑)。

ケーエスアイさんに機械の入れ替えとか搬入をお願いするのは、今回で3回目。もちろん、修理も何度かお願いしていますけど、こうした搬入などでもいろいろ段取りをしてくれるのか嬉しいですよね。修理だけではなく、機械の移動や新規の搬入も手伝ってくれるので、助かっています。

本領発揮!?修理ができる機械商社の新規設備導入 受入準備

機械商社としての本領発揮!?今回は、中村留精密工業製のSC-100の新品!の機械搬入です。

遠路はるばる、石川県の本社工場からやってきたこの機械。まずは搬入前の準備として、工場の中に設置スペースを確保するところから始まりました。

 

 

機械商社の本領発揮!入念な準備期間は数か月以上

 

今回の機械搬入、実は夏頃にはすでに「いつ頃になりそう?」という話題が、社内では出ていました。そして実際の搬入は11月の終わりですから、実に3か月以上の日数がかかっていることになります。

その理由は、こうした大型の工作機械は、注文を受けてから実際の組み立てを行い、動作確認等を行う期間が必要となるからです。

実際に搬入の見通しが立ったら今度は、中島氏とお客様との間で、工場内でのレイアウトを検討しました。

<中島氏とお客様とで検討した工場内のレイアウト>

 

 

まずは、スペースづくりから?

 

今回、お客様が新しく購入し、搬入することになった機械は、恐らくこの工場内で一番大きな機械となるようです。

工場内には、すでに5台の工作機械と、それぞれにバーフィーダーがあり、なかなかの混み具合。そこに新しい機械、しかもどれよりも大きな機械を入れるわけですから、まずは搬入経路も含めて「スペース」を空ける必要があります。そう、今ある機械たちを「隅っこに寄せる」という大きな仕事があるのです。さらに、工作機械たちの電源もすべて取り外しておく必要があります。

そこで中島氏は、機械搬入の前々日から現地入りし、電源の取り外しを行いました。

 

<作業の段取りを相談するお客様と中島氏>

 

そして前日には、中島氏が手配した運送屋さんに協力していただき、工場内の機械移動と、この工場ではお役御免となった機械の搬出を行いました。

 

 

<設置スペースを空けるために機械を移動中>

 

搬入前日は、朝9時から作業が始まり、終わったのが16時過ぎ。

もともと5台あった工作機械+バーフィーダーのうち、1組を工場から搬出し、ほかの4組を工場内の隅へ移動しました。

 

<隅っこへ移動された機械たち>

 

 

新しい機械を待ちわびて?

 

「今頃、どの辺を走っているのかな?」そんなことを話しながら、お客様と中島氏、そして相馬氏は、広くスペースの空いた工場の中で、明日の搬入に向けて、段取りの最終確認をしました。

 

<新しい機械の到着を静かに待つ工場>

 

ここで、ちょっと疑問に思ったことを中島氏に聞いてみました。

 

そ、そんなにか!

 

中島氏曰く、新しい機械を搬入するには、機械メーカーや運送屋さんなど、複数の企業の人が関わっているとのこと。

ではそれをまとめ上げるのは誰なのか。「もちろん、うちだよ」と中島氏はいいます。私の頭の中を整理してみると、ちょうどHUBの中心となるところに中島氏がいるようです。

機械を設置するためには、電気工事も必要ですし、エアー配管の調整も必要です。設置後に水準器を使って「水平になっているかどうか」も確認する必要があります。

これらの工程、実はすべてを中島氏がコントロールしています。

 

何となく頭の中が整理できたところで、明日はいよいよ新しい機械の搬入です。

この続きは、後編で!

 

 

今回のお客様はこんなところ

 

<三美金属工業株式会社>

〒350-0323 埼玉県比企郡鳩山町小用744−1

TEL:049-296-0449

 【お客様の声】

今回の機械は、「自分で決めた初めての新しい機械」です。実は結構前から「こんなことができる機械が欲しい」と考えていて。実際にこのSC-100に決めて、中島さんに相談したんですよね。中島さんと僕は年も近いから、いろいろと話しやすいですし(笑)。

ケーエスアイさんに機械の入れ替えとか搬入をお願いするのは、今回で3回目。もちろん、修理も何度かお願いしていますけど、こうした搬入などでもいろいろ段取りをしてくれるのか嬉しいですよね。修理だけではなく、機械の移動や新規の搬入も手伝ってくれるので、助かっています。

まだまだ現役!年季の入ったフライス盤のモーター交換

今回の修理は、フライス盤のモーター交換です。かなり年季の入った機械のため、銘板には「萩田鉄工所」という文字と「No.1 NEWS TOKYO」とあるのが分かるだけ。

しかし今回の問題は「モーター」であることが事前の中島氏の調査で分かっていました。そこで整備に出したモーターが戻ってきたので「取り付けするよ」ということで、お客様のところへ伺いました。

 

 

モーターの「巻き直し」って?

 

今回の修理、事前に中島氏からこう聞いていました。

モーターの『巻き直し』があがってきたから、取り付けに行くよー

 

は?巻き直し?って何それ?

 

と、頭の中でぐるぐるしたので、ちょっと調べてみました。

 

モーターの巻き直し:モーターの中にある「電磁波を発生させるコイル線」を巻き直すこと。

コイル線は長年使用しているとだんだん劣化し、漏電したりトルクが落ちたりするため、オーバーホールとして「コイル線を新しいもので巻き直す」ということが必要になるのだそうです。

最近はモーターの価格自体も下がってきているので、いっそのこと買い替えた方が安上がりのこともあります。しかし今回のお客様の機械は、同型、同サイズのモーターが入手できないため、「巻き直し」をすることになりました。

 

 

今回のターゲットはこちら

 

さて、私が(道に迷ったため少し遅れて)工場に着くと、すでに中島氏と相馬氏がモーターの取り付け作業に入っていました。

 

<生まれ変わったモーターを取り付けする出張修理人たち>

 

お客様に伺ったところ、この機械は「かなり年季が入っている」とのこと。少なくとも30年以上、もしかするともっと長く稼働している、働き者の機械だそうです。

 

 

モーター取り付け後の動作確認

 

機械全体の大きさからみると、かなり大きなモーターに見えます。しかもオーバーホールが終わっているので、ピカピカに磨き上げられており、これだけ新品のようです。すごくキレイ♪

モーターを取り付けてゴムベルト(3本)を装着したところで、動作確認を始めると…

動きは問題無さそうですが、動き始めるときに何やら「パチン!」という音がします。それほど大きな音でも無いのですが、やっぱり何だか気になる音がベルトカバーのあたりから聞こえてきます。

カバーを外すと、聞こえない。

でもカバーを付けると、動き始めに「パチン」という音。

 

中島氏は、取り付けた3本のゴムベルトを再度確認しました。すると1本だけ、ごくわずかですが他よりも長い気がします。取り付ける時には結構な力で引っ張りましたが、3本並んでいるところをよく見ると、1本だけごくわずかに「ゆるみ」があるように見えます。

 

さて、これはなぜでしょう。

お客様にうかがってみると、「そういえば1本だけ切れたから、それだけ別のところで購入した」とのこと。中島氏も、これで納得したようです。

「ゴムベルト」は同じサイズのものを購入しても、作っているメーカーや作った時期などによって、わずかに長さが違うことがあります。3本とも同じ製品で一緒に交換すると揃うので問題ありませんが、今回のように「1本だけ」が違う場合、どうしてもそこに負荷がかかってしまうので、一番最初に切れてしまう可能性があるそうです。

実際に音がしていたのも、コレ。モーターが動き始めるときに、わずかに長いゴムベルトに、モーターの動きに合わせた「たるみ」が生じてしまい、それがモーターカバーの内部に擦るようにぶつかっていることが原因のようです。

 

とはいえ、3本のうち1本が切れても機械の動作には大きな影響は無いそうなので「今度ゴムベルトが切れたときに考えましょう」ということになりました。

これで今回の修理は終了です。お疲れさまでした!

 

 

今回のお客様はこんなところ

 

<ヤマザキ製作所>

〒340-0217 埼玉県 久喜市鷲宮1-10-21

金属の精密加工を得意とされています。産業用ポンプの部品などを製造しています。

【お客様の声】

ウチはこれまで、別の修理屋さんにお願いしていましたが、そこが廃業してしまい困っていたんですよ。ちょっとしたことなら自分で直せるところもあるのですが、やっぱり慣れている人にお願いする方が確実ですしね。

今回はちょっと急ぎの仕事が入っていましたが、今日直していただいたので、間に合わせることができそうです。助かりました。