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何故そんな風に折れたのか?!汎用旋盤の軸交換

何故そんな風に折れたのか?!汎用旋盤の軸交換何故そんな風に折れたのか?!汎用旋盤の軸交換

ある日の午後、中島氏から1本の電話が入りました。「今度は別のお客様だけど、また汎用旋盤の修理入ったよ。」

そう、つい先日取材させていただいた、「働き者の汎用旋盤」と同じ種類の機械(メーカーは違うけど)が、先日とは違う箇所の修理が必要なのだそうです。

 

しかし、修理予定日を聞くと、残念!その日、椿さんたちは誰も取材に行けません。しかも東京都が再び「緊急事態宣言」の中、お客様は埼玉県だし。

というわけで、今回は中島氏が自ら写真を撮って、後から修理の概要を説明してくれました。

 

 

今回の機械の故障、原因は「プーリーの軸」にあり

 

今回の修理、お客様からは「主軸が回らなくなった!」とうかがっていたそうです。あれ?これどっかで聞いたような気が…

そう!前回の修理記事の汎用旋盤の「プーリーが動いているけど主軸が回らない」と、まったく同じ現象なのです。

そこで実際に中島氏が調査をしてみると、どうやら「プーリーの軸」が折れているらしいことが分かりましたので、中島氏は同じ部品をメーカーから調達して、今回の修理となりました。

 

中島氏はお客様の工場に到着すると早速、いろいろとバラし始めます。まずはギアボックスの上から、折れてしまった「軸」を確認します。

<ギアボックスの中から、折れた「軸」を確認>

 

しかし中島氏、今度はギアボックスの外側にあるプーリーと、もう一つの軸を外し始めたとのこと。後から理由を聞くと「邪魔になるから」。どうやら、今回交換したい「プーリーの軸」のすぐ近くにもう1本別の「軸」があり、これが交換作業の邪魔になってしまうそうです。

さて、2本の軸を外した状態でギアボックスの中を覗いてみると……何となくスカスカな感じになっています。

 

 

やっと!「軸」を交換

 

しかし、ギアボックスの中にあるギアって、長年使われていてもキレイですよね。普段、あまり開けるところではありませんから、油がきちんと差されていれば、ギアがピカピカに光って見えます。

<2本の「軸」を外したギアボックスの中>

 

パッと見た感じではどのギアが何をしているかはまったく分かりませんが、「モーターからのトルクを刃物台に伝える」とか聞いてしまうと、大事な部品なんだなぁと思うから不思議です。

 

さて、いよいよ「プーリーの軸」を交換します。

中島氏は、取り出した「折れた軸」と、注文していた「新しい軸」を並べた図も写真に収めていました。

<2本の「軸」を並べたところ>

 

取り外したプーリーの軸は、途中からスパッとキレイに折れています。ゆがんだ、とか、曲がった、とかではなく、まさに「折れた」軸です。

こんなに太くて頑丈な金属の棒がスパッと折れてしまうとは、ちょっと恐ろしい感じがします。中島氏や社長に聞くと、「金属疲労」とのこと。長年使い続けるうちにこの部分に少しずつ振動が加わり、軸の中心にある金属の棒に「金属疲労」が起こります。すると何かのはずみで、今回のように「バキッ」と折れてしまうことがあるそうです。

とはいえ、滅多に無いケースなのだそうですが……。長年大事に使ってこられた機械ですので、想定外の部分が壊れてしまうこともあるのだとか。

 

軸の交換が終わったところで、後は元通り組み立てて試運転して……で終わりなのですが、実は今回、中島氏のほかに相馬氏も修理に参戦していました。それなりにパワフルな修理だったそうです。

元通りに組み立てたところで、お客様に試運転をしていただきます。故障前の状態で動くことを確認し、今回の修理は完了です。

 

二人とも、お疲れ様でした!

 

今回のお客様はこんなところ

 

<金久保製作所>

〒339-0078 埼玉県さいたま市岩槻区掛7953-6

TEL:048-757-4675

工場内に30台以上の工作機械がある、大きな工場。さまざまな分野への部品提供を行っている。