魔物が棲むNC旋盤!?一筋縄ではいかないギアの修理-後編-

今回は、中村留製のNC旋盤の修理、後編です。

RPGでいう「ラスボス」のような存在感を放つ今回の修理箇所、「軸およびシュパンリング」は、修理開始から数日後、やっとその全貌をあらわしました。

 

 

「軸」に食いついてしまった「シュパンリング」

 

修理1日目は椿ワークスが取材できましたが、その後の模様は、相馬氏から送られてくる写真とコメントが頼り。3日目の午後、相馬氏から「ギアが外れました!」とのことで、写真とコメントが送られてきました。

 

問題となった「軸」と「シュパンリング」の全貌です。

 

<軸とシュパンリングの位置関係>

 

<シュパンリングが入ったギアを取り外したところ>

 

 

なぜ軸に「食い込んでしまった」のか

 

実際のところ、軸からシュパンリングが組み込まれたギアを取り外すためには、かなりの工夫が必要だったようです。中島氏はこの辺りを想定していたからか、予め「特注部品(工具)」も発注していました(詳しくは、前編の一番下の画像を参照)。

では、なぜ「取り外すのが難しい」ものだったのか。その理由は大きく2つありました。

1つは、軸はもともと「テーパー」という形状であることです。直線ではなく、わずかですが両端の太さが違いますから、その上にリングを通した場合、ある程度のところまでくると自然に止まります。しかし想定外の力などが加わると、リングは軸に食い込んでしまいます。これが「食いついた」という表現になっていました。

もう1つは、軸とシュパンリングの間に、潤滑剤である「オイル」が無くなっていたことです。工作機械の中の部品は、一部の電気系統を除くと金属でできているものがほとんどですから、それぞれのすき間にはオイルなどの潤滑剤があります。これが無くなると金属同士で摩擦が起こり、上手く動かなくなってしまうのです。しかも、この機械はすでに30年以上稼働しています。メンテナンスを行う時にも「中を開けてオイルを足す」という箇所でも無いので、自然と「オイル切れ」を起こしてしまっていたのでした。

 

今回のケースでは、

1.ギアに必要以上の力がかかり、シュパンリングを押し込んでしまったこと

2.本来あるはずの「オイル」がなくなり、ギアが動かなくなってしまったこと

この2つが原因で、NC旋盤本来の動作ができなくなっていました。

 

 

本来の動作に戻すために

 

シュパンリングとは、ギアの内側につけられた「リング」のことです。本来、ギアにフタをして抑えると、このリング自体が内外に膨らむようになっており、ギアが軸にしっかりと固定されるという仕組みです。

 

ここで、シュパンリングの動きを整理してみます(後日、中島氏に詳しく教えてもらったことは、とりあえずナイショです)。

 

<シュパンリングの本来の動き>

※本当はもっと複雑ですが、分かりやすく簡略化してます(実は、ここまでしか理解できない…)

本来なら、上のイメージ図の中にある「実質的な軸が通るスペース」は少しスキマが空いていて、潤滑剤であるオイルがあるはずです。しかし実際のシュパンリングと軸との間にはスキマが無く、オイルも乾いてしまっていました。

今回の修理では、軸に食いついてしまったシュパンリングをギアごと外すことができましたので、もう1つの問題である「オイル」を解決する必要があります。

 

上の写真でも分かるとおり、軸もピカピカですし、シュパンリングもキレイに乾いてしまっています。

中島氏と相馬氏は、ここにたっぷりとオイルを補充したそうです。

 

 

さて、今回の修理。作業を始めたときは「ラスボスにたどり着くためのRPGみたい」と思ってしまいましたが、RPGと違うのは「ラスボスを倒したから終わりでは無い」ということ。

 

つまり、数日かけて分解したNC旋盤、組み立てにもそれなりに時間がかかったわけです。

最後はお客様に動作確認をしていただき、修理は完了です。

 

お疲れさまでした!

 

今回のお客様はこんなところ

 

<有限会社 相原製作所>

〒343-0115 埼玉県北葛飾郡松伏町大字上赤岩1683

TEL:048-991-8984

 

<お客様の声>

 

今回の修理は「大がかり」というか、中島君も手探りではあるようだね。やっぱり時間もかかったし、どうなるかなと思ったけど、直って良かった。機械が動くようになるのは、助かります。

 

魔物が棲むNC旋盤!?一筋縄ではいかないギアの修理-前編-

今回は、中村留製のNC旋盤の修理です。

NC旋盤の修理…は中島氏の修理実績の中でも多い方なのですが、今回は中島氏も初の大がかりな修理になるだろうとのこと。「多分、1日では終わらない」という予測通り、実に一週間近くかかった修理となりました。

 

 

まずはNC旋盤とご対面

 

今回の修理は、ケーエスアイにとっても古くからのお客様、埼玉県松伏町の相原製作所様です。実は、今月の初めにも別の機械の修理(面取り旋盤「メントリー」チャック爪の交換)で取材させていただきました。

今回はまた別の機械、NC旋盤の修理です。

事前に中島氏に聞いたところ、「NC旋盤の奥の方、ターレットの軸の部分にはまっている部品(後に「シュパンリング」というものであることが分かりました)が、軸に食いついている」とのこと。

 

軸に食いつくって何???

 

という疑問符を浮かべながら相原製作所様に着くと、中島氏は機械と会話していました。

<機械と会話する中島氏>

 

工場の入口近く、先日写真を撮らせて頂いたNC旋盤が今回修理する機械なのですが、ちょっと大掛かりになるので人手が欲しいことと、せっかくNC旋盤の内部構造も見られることから、相馬氏も一緒に修理するのだそうです。

 

 

初めて見るNC旋盤の内部機構は、疑問がいっぱい

 

それでは!と、私もNC旋盤の中の覗き込んでみました。が…

軸ってどこ?どこが「食いついて」いるの?

表側と裏側の両方から覗き込んでも、まったくもって分かりません。

それは何故か。

答えは、「普段、人の目に触れることのない、ずっと奥の方にある機構だから」です。

<表側と裏側から修理箇所の周囲を眺めたところ>

 

何でしょう、この「今回の修理箇所」に漂う、ラスボス感

修理箇所(=ラスボス)までたどり着くために、

さまざま困難(=必要な箇所の分解)を乗り超えなくてはならず、

そしてしっかり修理しないと(=ラスボスを倒さないと)終わらない、今回の修理。

私自身はそれほどRPGが好きというわけではありませんが、頭の中にはついつい、こんなイメージが浮かびました。

この時点ではまだ、修理すべき箇所がどこなのかまったく見えませんし、実際の形や大きさも想像できませんでした。それゆえに「RPGでいうところのラスボス?」というイメージが浮かんできたのです。

 

 

慎重かつ丁寧に、悩みながら機械を分解

 

中島氏と相馬氏は、見えている部品や電気系統の配線などを、一つずつ外していきます。もちろん、表側からだけでは外すことができず、裏側に回って内部の構造を確認しながら、慎重に作業を進めます。

<NC旋盤の内部構造をくまなく確認しながら分解していく中島氏>

 

しかし、今回の修理は非常に手のかかる修理です。1日目も日が暮れようかというころ、やっと修理箇所の全体を覆っている、カバーが外れました。

<NC旋盤内部を分解、カバーを外したところ>

 

 

なんですと!?そうなのか。これは確かに大がかりだ。

実は翌日と翌々日、私は取材に同行させていただくことができなかったので、相馬氏に写真を撮ってもらいながら、状況を教えてもらいました。

私が行けなかった間、お客様の高速切断機をお借りしたり、工場内の手動の切断機をお借りしたりしながら、必要な工具もその場で作りつつ、作業を進めていたそうです。

 

<作業行程のダイジェスト>

 

今回のケースのように、出張修理人たちは単に「部品交換します」とするのではなく、

  ●どこがオカシイ?

  ●どのような使われ方をしている?

こうしたことをお客様と相談しながら、そして機械たちとも会話しながら、集中力と発想力で解決していきます。

 

修理開始から数日後、やっと全貌が見えてきました。

 

この続きは、後編で!

一つ止まれば全部止まる?!コンプレッサーの調査

今日の修理は、「油圧式コンプレッサー CLP37B-8.5D」です。

しかしよくよく聞いてみると、実は2日前の土曜日、中島氏は

「コンプレッサーが止まった!」

という連絡をいただき、点検と修理(応急処置だけど)にうかがっていたらしい。今日は「実際にどこが悪いのか」を確認しにいくとのことなので、同行させてもらうことにしました。

 

油圧式コンプレッサーは工場全部の工作機械につながっている?

 

さて、事前に修理する機械について少しだけ話を聞いていたのですが、油圧式…は何となく分かるけど(油圧式で上下するイスとかあるし…)、はて「コンプレッサー」とは?圧縮する何か、であるとは思うけれど…

ためしに、Wikipediaで「圧縮機」を検索してみました。

 

圧縮機(あっしゅくき)とは羽根車若しくはロータの回転運動又はピストンの往復運動によって気体を圧送する機械のことである。コンプレッサーともいう。

引用:Wikipediaより

 

と考えているうちにお客様の工場に着いたので、コンプレッサーとご対面。

<コンプレッサーと、その脇でメーカーの資料を確認する中島氏>

 

工場の入口を入ってすぐのところにあるこの機械が、コンプレッサーだそうです。中島氏と相馬氏が先に到着していたので、すでにフロントカバーが外されており、中をじっくり見ることができました。

これまでもいくつかのお客様の工場にうかがいましたが、工場の中にはらせん状のチューブの先に、ハンディ式のエアガンのようなものが繋がっており、そこから勢いよく空気が出てきます。今回の修理は、このエアガンから出てくる「圧縮空気」をつくり出す機械、ということは分かりました。

 

何故止まったの?原因を確認する

 

実はこのお客様、土曜日も作業をされている中で急にコンプレッサーが止まってしまい、他の工作機械も動かなくなってしまったとのこと。お客様から電話をいただいた中島氏は、すぐにこの機械を点検にきています。しかしその時は、「これが動かないと、つながっている工作機械が全部動かない」という状態だったため、応急処置として配線をつなぎ変えていました。

 

<配線の模式図>

 

土曜日に中島氏が調べたところ、どうやら電源から基板を通ってくる電気が、マグネットスイッチや圧力スイッチまで届いていなかった模様。さらに時間をかけて調べれば原因を突き止めることができたかもしれませんが、お客様として「他の機械が動かない」ことが一番困っていることでした。

そのため、電源から基板を通さず、直接マグネットスイッチを経由し、圧力スイッチへと通電するようにしていました。

と、ここで1つ疑問が。

 

そうなのか!それは確かに困る!

コンプレッサーからの圧縮空気が通る配管をたどってみると、NC旋盤やバーフィーダーなどにつながっています。ということは、これらの工作機械が動かなくなってしまうということになるので、「とりあえずの応急処置」がどうしても必要だったわけです。

 

工場の隅っこに置かれているコンプレッサー。実は工作機械の大半を稼働させる、縁の下の力持ち的な機械だったということが、私にもよく分かりました(エアガンの親玉とか言ってしまい、申し訳ない…)。

そして中島氏がもう一度すべての配線をたどりながら通電しているかどうかをチェックしたところ、ケーブルには問題無さそうですが…なぜか基板は2枚あります。

<メーカーのWebサイトを見ながら、基板をチェックする中島氏>

 

中島氏は、メーカーに電話で問い合わせたりしながらチェックしていきますが、やはり問題は「基板」にあったようです。しかし、基板となるとさすがに予備はありませんので、取り寄せをすることになります。

というわけで、今日の修理(というより点検)はここでおしまいです。とりあえずの応急処置ではありますが、コンプレッサーとしての役割は果たせるようになりましたので、工作機械たちは稼働できるようになりました。

<基板の型番をチェックする中島氏>

 

しっかりと修理を完了させるためには、注文した基盤が届いてからの「リベンジ」が必要、ということになりました。

 

今回のお客様はこんなところ

<長田螺子製作所>

〒131-0041 東京都墨田区八広6丁目36−8

TEL:03-3612-6455

先代の頃から螺子を作り続けて50年以上、さまざまな形状の螺子の製造から二次加工まで、あらゆる「螺子」に対応しています。

 

【お客様の声】

ケーエスアイは、先代の社長のときから付き合いがあって。NC旋盤を購入したり、修理してもらったり。

今の社長になってしばらくしてから、「工作機械の修理」を始めたんじゃないかな。ウチにはいくつかの工作機械があるけど、何かあったらすぐ来てくれるのは助かるよね。ウチにある古い機械ですでにメーカーが辞めてしまったものもあるので、中島さんと相談して自分で部品を作って修理、ということもあります。

工作機械の奥は深い!ベンディングロールのモロモロを修理 その2

今日は、前回に続いての作業です。
前回、ベンディングローラーの「オイル漏れ」の修理を行いましたが、この機械、実はほんの少しだけ置かれている床面が傾いています。今回はその部分を調整します。
それからもう一つ、工場奥に置かれた「シャーリング」という鉄板を切断する機械。こちらも取り付けられている「刃」が均等になっていないため、「刃」を固定している部分を調整することになりました。

 

ベンディングローラーを持ち上げる!まずは準備から。

 

今日は、中島氏と相馬氏のコンビとともに、お客様の工場へうかがいました。
工場に着くと、前回のお約束通り、お客様の方で機械の下に差し込むための「小さく切った金属の板」を用意してくださっていました。

<お客様の方でご用意いただいたプレートたち>

 

大きさは15㎝×15㎝程度、厚さがいろいろあります。今回はこれを使って、ベンディングローラーを水平になるように調整していきます。

まずは、油圧式のジャッキで、機械を持ち上げる用意をします。

<ジャッキを用意する中島氏>

 

とはいえ、そもそもこの機械「ジャッキで持ち上げられること」を想定して製造されているわけではありませんし、ジャッキ側にも機械の下に挿入する部分には1.5~2㎝ほどの厚みがあります。中島氏と相馬氏が協力し、ジャッキが挿入できるように部分的に分解しながら、作業を進めます。

今回のベンディングロールは、わずかではありますが下の写真でいうと「向かって左側が低い」状態になっています。この「ゆがみ」を正すために、ベンディングロールの下側の4か所にそれぞれ、適度なプレートを挟み込んでいきます。

<プレートを挟み込む位置を確認しているところ>

 

あれ?持ちあがらない?

 

準備ができたので、さて「ジャッキ」で機械を持ち上げようか、としましたが、なぜか動きません。よく見ると、機械と床面に置かれている鉄板との間に、5㎝ほどですが溶接されている箇所があります。
これではさすがに「ジャッキ」だけで機械を持ち上げることはできないため、工場内の機械を使って「溶断」していただきました。

<ベンディングローラーと床面(鉄板)との境目を溶断しているところ>

 

今度こそ、「ジャッキ」でベンディングローラーを持ち上げていきます。…しかし、これは一体、何トンくらいの重さがあるのでしょうか。
中島氏は、慎重にジャッキを操作しながら、少しずつ持ち上げていきます。2㎝程度持ち上げたところで、ほうきをお借りして、スキマからベンディングローラーの下を掃除し、いよいよ小さなプレートを挟み込んでいきます。

<ジャッキで持ち上げたスキマにプレートを挟み込んでいくところ>

 

 

幸い、厚いものから薄いものまで、いくつかの種類のプレートを用意していただいていたので、何枚か組み合わせながらぴったりと挟み込んでいきました。

 

水平に近づいたことと、機械の動作を確認

 

ベンディングローラーの下に合計4か所、小さなプレートを挟み込むことで機械は固定できました。少し精度の高い「水平器」で全体の水平度を確認したところ、ベンディングを行う部分が目視では分からない程度、ごくわずかではありますが、「ゆがみ」が生じているようです。

<経年変化による機械そのものの「ゆがみ>

 

ただこれも、床面(機械の「足」の高さ)がほぼ水平になったことで、だんだんと「なじみ」が生じてくるのだそうです。これは、このベンディングロールだけではなく、どのような機械でも同じことが言えます。

何十年も稼働しているような機械には、目視では分からない程度、通常の稼働には影響が出ない程度の「ゆがみ」が生じることがあるのだそうです。

 

…確かに、金属加工を行うような機械は、機械そのものに非常に重量がありますし、構造によっては何十年もその重量に耐えている部分もあるわけで。大きな機械ほどこうした変化は起こるのかもしれません。

 

中島氏たち修理人は、故障した機械の部品交換だけではなく、こうした「機械のゆがみ」を調整することもできます。スゴイ!

 

さて本日の作業、これで終わりではありません。もう一つの大物機械、「シャーリングの刃の位置の調整」が残っています。この様子は、次の記事で!

 

今回のお客様はこんなところ

 

<名和工業 株式会社>

〒132-0025 東京都江戸川区松江6丁目4-21

TEL:03-3653-7491

集塵機・空調ダクトの製作から、取付工事、塗装工事、配管工事、足場工事まで、大規模工場内の「ダクト」に関することならあらゆる行程に対応している工場です。いわゆる「設備」に関する部分に対応しているため、お客様の施設に合わせた設計から一貫して対応しています。

工作機械の奥は深い!ベンディングロールのモロモロを修理 その1

今回のお客様は、実は株式会社ケーエスアイにとって、初めての「修理依頼」をいただいたお客様です。

そんな「初めまして」のお客様のところにまでカメラ持ち込んで取材させていただいても良いのか?という気もしますが、中島氏がお客様に確認を取ってくれたので、構わずお邪魔することに。

今回のお客様は、KSIと同じ区内の工場で、とある金融機関の方から紹介され、修理に伺う数日前に、中島氏とKSIの社長がご挨拶と下調べに行っていました。

「いろいろな機械の調子が悪くて、どこから直していけばよいのかもわからない状態」と聞いていたそうですが、まずは一番取り掛かりやすそうな「ベンディングロールの油圧配管の一部からのオイル漏れ」の修理を行うことになりました。

 

小雨でも入口全開な工場にて

 

工場についてみると…デ、デカい!そして入口の扉は全開で、大きな円筒状ものを溶接している社員さんの姿が見えます(後にこの円筒状のものは、大きな配管だということが分かりました)。

端の方に「安全通路」とあるので、そこから工場の中へ。

 

入り口から数メートル入ったところに、今日修理をする「ベンディングロール」がありました。どうやら、トップロールを動かす油圧システムの辺りで、オイル漏れが生じているようです。

ベンディングロールには、油圧式で動くものと、モーターで動くものがあるようですが、今回のは油圧式。オイル自体は油圧タンクから細ながーい配管を通ってきますが、配管と油圧の機構との継ぎ目のところでオイルが漏れていました。

そこで中島氏は、配管を固定しているネジを緩め、オイル漏れが生じている部分を取り外すことに。

<オイル漏れしている機構部分を外しているところ>

 

配管は全部で4本。それぞれの継ぎ目を一旦外して、キレイに拭いた後、きっちりと締め直していきます。

<今回修理したのはこの4つの継ぎ目>

 

継ぎ目を締め直し、今日の修理「前半戦」が終了。

…ということは、後半戦もあるわけで…

 

後半戦は「機械のゆがみ」の調整

 

実はこのベンディングロール、「固定」と「転倒」の数値に、わずかですがズレが出ています。

実際にどれくらいのズレが出ているのか、少しずつトップロールを動かしながらチェックしていきます。ゼロ点まで動かすとズレは無くなるようですが、トップロールの動きが大きくなるほど、ズレが広がっていくようです。いろいろとトライしましたが、やはり制御盤の方での調整が必要な様子。中島氏は準備していた資料を片手に調整を始めました。

 

<資料を隅々まで見ながら、機械と会話を始める?中島氏>

 

中島氏の資料をチラリと覗いてみたところ…私にはさっぱり分かりません。

中島氏は電気工事士の資格を持っています。その中島氏もこの機械を調整するのは初めてとのこと。それでも一生懸命トライするのですが、やはりどうしてもごくわずかなズレが生じてしまいます。

その理由はどうやら、ベンディングロールを設置している床面にあるようです。

 

 

…という、機械の声が聞こえたのかどうかは分かりませんが、どうやらベンディングロールの下が水平では無いのではないか、という結論に至りました。

 

社長さんへ、現状報告と次回修理のお願い

その後、中島氏が事務所へ行くというので、私も付いていくことに。

いろいろとお話しを伺いながら、中島氏からは現状の報告と、近日中に再度修理と調整が必要なことをお伝えしました。

 

 

というわけで、床面のゆがみの調整は次回持ち越しとなりました。

社員の方へも次回修理までの間の「細かい調整の仕方」をアドバイスして、微調整しながら使っていただくようにお伝えして本日の修理は終了です。

 

<細かい調整についてアドバイスする中島氏>

 

この続きは、次回のレポートにて!乞うご期待!

 

今回のお客様はこんなところ

<名和工業 株式会社>

〒132-0025 東京都江戸川区松江6丁目4-21

TEL:03-3653-7491

集塵機・空調ダクトの製作から、取付工事、塗装工事、配管工事、足場工事まで、大規模工場内の「ダクト」に関することならあらゆる行程に対応している工場です。いわゆる「設備」に関する部分に対応しているため、お客様の施設に合わせた設計から一貫して対応しています。

 

【お客様の声】

うちにはいろいろな機械がありますが、どれか1つの調子が悪くなっても、すぐに修理するのが難しいことが多くて、困っていたんです。今回のベンディングロールも、修理まで何週間も空くようだとどうしても外注先に加工をお願いすることになってしまいますし。「すぐに修理や調整の対応をしてくれるところ」を、ずっと探していたのです。

今回は初めて修理をお願いしましたが、うちからも近いようですし、すぐに来てくれるので本当に助かります。調子が今一つな機械が他にもあるので、引き続きお願いしたいです。