一つ止まればみな止まる?!コンプレッサーの基盤交換

今日の修理は、「油圧式コンプレッサー CLP37B-8.5D」の2回目です。

前回、「コンプレッサーが止まった!」というご連絡を受け、中島氏が調査およびとりあえずの応急処置をしてきました今回は、メーカーに発注していた基板が届いたので、これを交換することになりました。

 

応急処置をした油圧式コンプレッサー スイッチも交換?

 

今日の修理はまず、コンプレッサーの正面にあるスイッチをランプの交換からスタートです。

実はこのコンプレッサー、電源ランプ、ドライヤのアラームランプ、電源スイッチ、ドライヤスイッチの4つが基板からつながっており、これが正面にあります。このうち、ドライヤのアラームランプが割れてしまっていましたので、交換です。


<交換したランプとスイッチたち>

 

いよいよ、基板2枚を交換

 

まずは1枚目。こちらの基板からは、マグネットスイッチと圧力スイッチへの配線が接続されていたようです。

基板を交換しつつ、応急処置前の「本来の接続」につなぎ変えていきます。

<応急処置と本来の配線 模式図>

 

あれ?でも、前回の応急処置って、3週間くらい前だったような気が…。

すると中島氏は、おもむろに自分のスマホを取り出します。

<「本来のつなぎ方」の写真を確認する中島氏>

 

中島氏は、最初にこのコンプレッサーの修理にうかがった際に、配線を変える前、つまり「本来のつなぎ方」の写真を撮って残していました。

今回の修理に限ったことではありませんが、基板とその先にある構造(今回はスイッチ)との間には、複数の色のケーブルでつながっています。このケーブル(正確には導線を覆っている絶縁体)の色が重要なのだそうです。

 

ひぇー!それは大変!

私もかつてはデスクトップのパソコンを組み立てたりもしたけど、ケーブルのつなぎ替えまではやらなかったなぁ。「電気」って文明の利器ではあるけど、使い方を間違えると結構大変なことになるし、やっぱりよく分かっている人に修理してもらう方が安全、ということなのか。

と、考えながら見ていると、1枚目の基板交換が終了。続いて2枚目の基板交換です。

こちらも以前に撮って残しておいた写真を見ながら、慎重に交換していきます。

 

<通常の2倍のケーブルたち>

 

修理は完了?お客様と一緒に動作確認

 

2枚の基板を交換し、ケーブルを整理したところで試運転です。お客様にブレーカーを操作していただき、中島氏がコンプレッサーのスイッチをON!

Buooooooon という音と共にコンプレッサーが起動!

修理の間は工作機械たちがお休みしていたので、工場内のあちこちにぶら下がっている「ハンディタイプのエアガン」を使って、圧縮空気がちゃんと届いていることを確認していただきました。

それからもう一つ。コンプレッサーに使われている「エアドライヤー」という仕組みがありますが、こちらも動作確認です。とはいえ、確認する方法は「エアドライヤーが動く音がするかどうか」ということ。

コンプレッサーを動かしてしばらくすると ブシュー! という音がしました。この音がエアドライヤーがちゃんと動作している音なのだそうです。

「圧縮空気を送る」という機能と、「圧縮空気の中から水分を取り除く」という2つの機能が動くことを確認し、今日の修理は完了です。

 

お疲れさまでした!!

 

今回のお客様はこんなところ

 

【長田螺子製作所】
〒131-0041 東京都墨田区八広6丁目36?8
TEL:03-3612-6455

先代の頃から螺子を作り続けて50年以上、さまざまな形状の螺子の製造から二次加工まで、あらゆる「螺子」に対応しています。

【お客様の声】

中島さんがウチに初めて来たのは、15年くらい前、ウチが3台目のNC旋盤を入れた時かな。当時はまだ入社したばかりだったらしいけど、しばらくしたら一人でも修理しに来てくれるようになったと思う。

今回は、電話したらすぐに来てくれたので助かった。機械は動いてくれないと仕事にならないから、すぐに来てくれるのは良いよね。

一つ止まれば全部止まる?!コンプレッサーの調査

今日の修理は、「油圧式コンプレッサー CLP37B-8.5D」です。

しかしよくよく聞いてみると、実は2日前の土曜日、中島氏は

「コンプレッサーが止まった!」

という連絡をいただき、点検と修理(応急処置だけど)にうかがっていたらしい。今日は「実際にどこが悪いのか」を確認しにいくとのことなので、同行させてもらうことにしました。

 

油圧式コンプレッサーは工場全部の工作機械につながっている?

 

さて、事前に修理する機械について少しだけ話を聞いていたのですが、油圧式…は何となく分かるけど(油圧式で上下するイスとかあるし…)、はて「コンプレッサー」とは?圧縮する何か、であるとは思うけれど…

ためしに、Wikipediaで「圧縮機」を検索してみました。

 

圧縮機(あっしゅくき)とは羽根車若しくはロータの回転運動又はピストンの往復運動によって気体を圧送する機械のことである。コンプレッサーともいう。

引用:Wikipediaより

 

と考えているうちにお客様の工場に着いたので、コンプレッサーとご対面。

<コンプレッサーと、その脇でメーカーの資料を確認する中島氏>

 

工場の入口を入ってすぐのところにあるこの機械が、コンプレッサーだそうです。中島氏と相馬氏が先に到着していたので、すでにフロントカバーが外されており、中をじっくり見ることができました。

これまでもいくつかのお客様の工場にうかがいましたが、工場の中にはらせん状のチューブの先に、ハンディ式のエアガンのようなものが繋がっており、そこから勢いよく空気が出てきます。今回の修理は、このエアガンから出てくる「圧縮空気」をつくり出す機械、ということは分かりました。

 

何故止まったの?原因を確認する

 

実はこのお客様、土曜日も作業をされている中で急にコンプレッサーが止まってしまい、他の工作機械も動かなくなってしまったとのこと。お客様から電話をいただいた中島氏は、すぐにこの機械を点検にきています。しかしその時は、「これが動かないと、つながっている工作機械が全部動かない」という状態だったため、応急処置として配線をつなぎ変えていました。

 

<配線の模式図>

 

土曜日に中島氏が調べたところ、どうやら電源から基板を通ってくる電気が、マグネットスイッチや圧力スイッチまで届いていなかった模様。さらに時間をかけて調べれば原因を突き止めることができたかもしれませんが、お客様として「他の機械が動かない」ことが一番困っていることでした。

そのため、電源から基板を通さず、直接マグネットスイッチを経由し、圧力スイッチへと通電するようにしていました。

と、ここで1つ疑問が。

 

そうなのか!それは確かに困る!

コンプレッサーからの圧縮空気が通る配管をたどってみると、NC旋盤やバーフィーダーなどにつながっています。ということは、これらの工作機械が動かなくなってしまうということになるので、「とりあえずの応急処置」がどうしても必要だったわけです。

 

工場の隅っこに置かれているコンプレッサー。実は工作機械の大半を稼働させる、縁の下の力持ち的な機械だったということが、私にもよく分かりました(エアガンの親玉とか言ってしまい、申し訳ない…)。

そして中島氏がもう一度すべての配線をたどりながら通電しているかどうかをチェックしたところ、ケーブルには問題無さそうですが…なぜか基板は2枚あります。

<メーカーのWebサイトを見ながら、基板をチェックする中島氏>

 

中島氏は、メーカーに電話で問い合わせたりしながらチェックしていきますが、やはり問題は「基板」にあったようです。しかし、基板となるとさすがに予備はありませんので、取り寄せをすることになります。

というわけで、今日の修理(というより点検)はここでおしまいです。とりあえずの応急処置ではありますが、コンプレッサーとしての役割は果たせるようになりましたので、工作機械たちは稼働できるようになりました。

<基板の型番をチェックする中島氏>

 

しっかりと修理を完了させるためには、注文した基盤が届いてからの「リベンジ」が必要、ということになりました。

 

今回のお客様はこんなところ

<長田螺子製作所>

〒131-0041 東京都墨田区八広6丁目36−8

TEL:03-3612-6455

先代の頃から螺子を作り続けて50年以上、さまざまな形状の螺子の製造から二次加工まで、あらゆる「螺子」に対応しています。

 

【お客様の声】

ケーエスアイは、先代の社長のときから付き合いがあって。NC旋盤を購入したり、修理してもらったり。

今の社長になってしばらくしてから、「工作機械の修理」を始めたんじゃないかな。ウチにはいくつかの工作機械があるけど、何かあったらすぐ来てくれるのは助かるよね。ウチにある古い機械ですでにメーカーが辞めてしまったものもあるので、中島さんと相談して自分で部品を作って修理、ということもあります。