今回の修理は、「スロッターマシン」という機械。
刃を取り付けるアタッチメントを動かすための機構を、固定しているネジが折れてしまったとのこと。
ネジ交換のために、中島氏はお客様の工場を訪問しました。
そもそもスロッターマシンってどんな機械?
簡単に言うと、スロッターマシンは、刃を上下に動かすことにより工作物の外面やキー溝を削って、形をつくっていく機械です。
下の写真には刃物がついていませんが、通常は黄色い点線部分に刃物が取り付けられています。
<スロッターマシン>
折れたネジの交換
このスロッターマシン、刃を動かすためのアタッチメントがありますが、それを調整するための仕組み(機構)を固定する「ネジ」が折れてしまったとのこと。本体を分解しながら、ネジを交換しました。
<交換したネジ>
ネジを交換し再運転!さらに修理個所が・・・
通常、機械や装置の操作を行う機構は、がっちりと動かなくするのではなく、多少の「逃がし」があるように出来ており、これを調整するために、いくつかのパーツが使われています。
<「逃がし」を調整しながら刃を固定するためのパーツたち>
このスロッターマシンも、製品や刃を動かないようにすることは必要なのですが、刃をがっつりと掴みながらも、刃物が戻るときに加工している被加工物(金属の塊)にぶつからないように、「逃がし」という動作を調整できるようになっているはずです。この動作が無い場合、
●刃物が下りてきて、被加工物を削る
●加工中の金属の塊を「こすりながら」刃物が戻る
ということが起きてしまうためです。
しかし中島氏は、実際に動かした状態をみて、「なんかおかしい!」ということに気づきました。
お客様に聞いてみると、「逃がし」の動きを無くすよう、動作部分をがっちり固定していたことが分かりました。
さらに点検していると、ローラーの一部がめくれ上がって変形していることがわかりました。変形してしまっていたので、サイズ調整もうまくできていなかったようです。
<ローラーで削られた状態>
さて、困った中島氏。今回はそこまで交換する予定ではありませんでしたし、ローラーの手配にも時間を要します。そこで、お客様と相談してみると、自前でローラーを作っていただけることになりました。
数日後、「ローラー出来たよ」という連絡を受けた中島氏が、再び工場を訪問。お客様作のローラーを交換し、このスロッターマシンは、スムーズに本来の動きが出来るようになりました。
ということで、今回も中島氏の細かい気づきにより、無事修理を完了しました。機械が正常に動くことができお客様も喜んでおられました。
今回も、お疲れさまでした!