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なぜ根元からバッキリと?面取旋盤のチャック爪交換

なぜ根元からバッキリと?面取旋盤のチャック爪交換なぜ根元からバッキリと?面取旋盤のチャック爪交換

今回は、高松機械製メントリーの「チャック爪交換」です。機械全体の大きさはそれほど大きなものではありませんが、面取り加工を行う専用の旋盤です。チャック爪ってちょっと変わった形をしていますが、そもそも何のためにあるのかを聞きながら、修理に同行させてもらいました。

 

 

面取り旋盤だから「メントリー」

 

今回の修理は、ケーエスアイにとっても古くからのお客様、埼玉県松伏町の相原製作所様です。私実は、15年ほど前にもこちらの工場にお伺いしたことがあります。その時に社長さんにお会いしたのですが、第一印象が「大きい人だなぁ」だったということはナイショです。

 

修理の予定が決まったとき、中島氏からは「高松機械のメントリーのチャック爪交換」と聞いていました。

はて?「メントリー」という名称は初めて聞いたような気がする。試しにWebで検索してみると、ありました!

 

面取り旋盤 メントリー

 

…え?

うーん、「初めて聞いた人にも伝わりやすいネーミング」と言えなくもない?

機械の名称に若干の衝撃を受けながらお客様の工場に到着し、実際のメントリーと初めてのご対面。

<高松機械工業製 メントリー T850K>

 

今回は、機械の一番後ろの「チャック機構」にある「チャック爪」を交換するということです。

 

 

「チャック爪」とは、そもそも何をするものか

 

中島氏は早速、チャック機構を分解し始めます。

<チャック爪を取り外したところ>

 

チャック爪は2本で1セットなのですが、そもそもどのような働きをするものなのでしょうか。中島氏に聞いてみました。

 

 

 

 

<チャック爪からの力の伝わり方>

なるほど!この変わった形状には、そういう意味があったのか!

ふむふむ…と一人で分かった気になっている横で、中島氏は新しいチャック爪と交換していきます。

<新しいチャック爪を取り付けていく中島氏>

 

 

チャック爪は何故折れたのか

 

さて、取り外したチャック爪をみると、2本のうち1本が固定用のネジ穴の部分でバッキリと折れています。

その理由を中島氏に聞いてみました。理由はいくつかあるようですが、今回は以下の2つの理由が考えられるそうです。

 

まず1つは、経年変化によるもの。チャック爪の先端には、ぎゅーっと押し付けるような力がかかります。ちょうど、頭の上においた壺を下から持ち上げるようなものなので、どうしてもその根元には力がかかります。これをくり返すことで根元が脆くなっていたのかもしれません。

 

もう1つは、必要以上の力をチャック爪にかけてしまったこと。チャック爪は根元の穴に短い棒を通すような形で固定されていますので、必要以上に力を加えると、先端方向へ力が逃げなくなってしまい、根本にも圧力がかかってしまいます。もしかすると、チャック爪全体の中でもこの「穴」の部分は金属が少なくなっているため、折れてしまったのかもしれません。

 

そんな話をしているうちに社長さんが様子を見に来られたので、動作確認をしていただきました。

<中島氏と社長さんとで動作確認をしているところ>

 

今回の修理はこれで完了です。お疲れさまでした!

 

 

ついでと言ってはナンですが、工場の中を見学

 

修理を終えた中島氏は、さっさと次のお客様のところへ行ってしまったのですが、社長さんが工場の中を案内してくださいました。

工場の中には、NC旋盤が10台以上、ターレット式旋盤2台、6軸加工機などの大型機械、現在は使用されていない機械が数台など、たくさんの工作機械がずらりと並んでいます。

これまでにも「取材」という名目でいくつかの工場にうかがいましたが、初めてみたものがあります。これ ↓

<NC旋盤の中から自動的に切子を排出するコンベアー>

 

それから、かつて中島氏が「改造した」という、今井機械製のターレット旋盤もありました。これ ↓

<38型ターレット式旋盤の改造部分>

 

ここは元々こういう形の「ボタン」では無かったそうですが、より使いやすいようにと中島氏が設計して、改造したのだそうです。

へぇ、ウチはそんなこともできるのか。と、自社を見直した1日でした。

 

 

今回のお客様はこんなところ

<有限会社 相原製作所>

〒343-0115 埼玉県北葛飾郡松伏町大字上赤岩1683

TEL:048-991-8984

うちとケーエスアイさんは先代からの付き合いだから、結構長いよね。実際、ケーエスアイさん経由で導入した機械もありますし、中島君に改造してもらったものもあります。工作機械の修理は自分たちでやることもあるけど、中島君の拠点はウチからもそう遠くないから、何かあったときにすぐに来てくれるのは助かるかな。朝一番で来てくれると、もっと助かるけどね(笑)